●5月頃、あるゲーム雑誌発売予定欄にキャラバン公式ソフト【ヘクター（仮名）】が載った。

名前だけを聞いた時、これは今年の夏も熱くなりそうだと思ったのは、Nakazyだけではないはず。

後に詳細が記載される。縦・横スクロール。空中物、地上物別々の弾。いつものシューティングとは

違った。ただ闇雲に敵を倒しても点数は上がらない。どのように動いて、どの敵から倒すってだけで

点数が変わってくるので、戦略を立てる必要があった。

またスターフォースでは5分間、敵の出現率を調整しギリギリでγ（ガンマー）ターゲット出す技

スターソルジャーでは、5分間敵を倒しまくり、2度目のラザロを出すという、いわゆる

キャラバンを勝つ技があった。ヘクターにはそれがない。

（まぁ敵の弾に当たって一瞬の無敵中に機雷を全部とる技があったが）

しかもキャラバンでは1秒間に14〜15発前後打てるJOYカード使用OKとなる。

誰が考えても接戦が予想された。

なかじは、蛇道軍団合宿（ﾜﾛﾀ）に参加、また第2回南キャラバンチャンプの大西兄率いる大西兄弟と

毎日電話にて情報交換をし、戦略が確立され点数が伸びていく。

ここで驚いたのだけど、みんなJOYカードを使うというのだ。はっきり言うと考えられない。

明らかにハドソンジョイスティックの方が操作性は上。連射ももちろんJOYカードより速いコスリがある。

ネックとしては地上物の敵と空中の敵に対する弾のボタンが別々なので、打ち分けが難しい。

なかじは、片方のボタン（Bボタン）コスリで秒間26発以上打てるし打ち分けも問題なかった。

ジョイスティックでプレイする姿を見て、誰もが挑戦したが全員挫折したｗ

準備は万全。早く大阪大会にならないかなぁと思ってた時、蛇道軍団2軍の皆元隆晴（通称ひゃん）

に遠征しようと誘われる。Σ(ﾟДﾟ；ｴｰｯ! まじで？と思ったけど、二つ返事だったｗ

彼は広島まで行くといった。冗談だと思ったが本気だった・・。

その2年前のスターフォース大阪大会ですら、ばあちゃんと電車のって行った位なのに・・。

心細いので大西兄弟と青柳を誘って5人で遠征した。

18切符を使ったので実質2200円で広島まで行けた。

広島駅から会場までは距離があり、バスに乗ったが当然のごとく間違ったバスに乗ってしまったｗ

運転手さんに言うと「道全然違うけど、そっちに行ってあげる」と、乗客他にもたくさんいるのに

別ルートいってくれたのだｗタクシーかYO！ｗ　嬉しかったなぁ。遠征したカイがあったよ。

会場についたのだけど大会は次の日。会場で食べ物を買った時、そこのおばちゃんと話をした

「どっからきたの？」「大阪ー」「へー。今日はどこに泊まるの？」「ベンチ」「？？？」

いやぁびっくりしてたよｗ　てか広島の人ってみんな気さくに話してくれた。

会場前のベンチで遅くまで話してたら、バイクに乗ったお兄ちゃん達に話しかけられそうになったが

突然の雨で助かったりｗ　何か誰かが見守ってくれてるかのようだった。

8月8日ついに広島大会が開催される。南のリーダーはもちろん川田名人。即見つけられた。

というか見つけさせたｗ

広島に来たのには訳もあった。キャラバンは南は九州から始まり、夏休み終りにかけて名古屋が最終日

この間約一ヶ月半あり、当然練習量だって変わってくる。九州や広島では夏休み最後なら

グランドチャンプの可能性もあると言ってると聞いた。なかじはソレが気に食わなかった。

だから同じ大会にでて格の違いを見せ付けるつもりだったのだ。

予選が始まる。500人以上集まったこの中で上位20人しか残れない。

しかし絶好調のなかじは、去年と同じく堂々の予選1位通過！

さらに決勝では、その時点で日本最高の104万点を叩き出し、予定通り広島人に格の違いを見せつけ

会心のキャラバン初優勝を飾る。

その得点と安定感にショックを受けた大西兄弟と青柳は遠征をやめ、帰ってしまう。

しかしひゃんと二人で遠征続行を決意ｗ

次の日の広島大会は高橋名人が登場。ジョイスティックでのプレイはさすがの彼もビックリしていた。

しかし疲れが出たのか、決勝で敗退。

ここで第1回キャラバン南チャンプの村井薫氏に声をかけられる。

実は国技館で岡山から招待された光信くんから話が通ってたようだ。

村井薫氏の家に泊めてもらうことになる。ファミコンショップを経営しており、お店にもよった。

家は、まさしく豪邸だった・・。村井さんの部屋は３０畳くらいあったよ・・。

村井さんは今日は寝ないで練習すると豪語（つまり今夜は寝かさないｗ）

しかしなかじは大会の日は、大会以外のプレイをしないようにしていた。

何度も練習すると自機がやられても平気な死に癖がついてしまい、

大会でも練習のひとつとしてプレイして、いい結果が出ないという自論があったのだ。

間違いかも知れないけど、その自論を貫く事により絶対的な自信が生まれていた。

結果岡山大会でも優勝を果たす。キャラバンは四国へと会場をうつす。

ここでも国技館に招待された中山くんに遠征が終わるまで泊めていただく。てかここもお金持ちで、

畑３つくらい持ってたよｗキャラバン以外にも、ご両親が遊びに連れて行ってくれたり、畑耕したり

いやぁ本当にいい経験をしたし　お世話になった。ありがとうございましたｗ

。

そんな最中キャラバンは動いた。何と北キャラバンで前回優勝の清水氏が

1068000点という驚異的なスコアを叩き出しこの時点でトップ。さすがにビックリしたが

1047000点で南トップを維持し、遠征を終える。大阪大会までは8日ほどあるので、しばし休んだ。

本当にいい遠征でした。人間的にも大きくなった気がしたよ。

迎えた大阪大会5連戦、まだこの時点ではなかじが南トップだったが、

大阪会場に来た大西や青柳、蛇道軍団は会場優勝を宣言していたが

残念ながら彼らは青ざめる事になる

前にも増して絶好調のなかじは1061000点を叩き出す！激戦の大阪大会初日を優勝。

去年まで一勝も出来なかったのが嘘のようだ。

大阪大会参加者にとっては新参者の、しかもジョイスティックでの参加のなかじに

歯がたたず完全に意気消沈してしまい、なかじの独壇場となる。

続く八尾、堺、高槻でも優勝する　

大阪最終戦となる泉佐野では、ひゃんとカラオケを歌わされるｗ

高橋名人の「友達よ」だったｗ　いやぁ面白かった

。

歌ってさらにパワーアップした？なかじはまたも予選トップで通過。

でかいモニターで会場全員にプレイが披露される。

会場がどよめく。「中島が今日も調子がいい。日本最高が出そうだ！」

その時！倒してはいけない敵を倒してしまう。（画面最後まで倒さず敵の弾で稼ぐのだ）

痛恨のミス。会場のどよめきは溜め息に変わってしまう。しかしまたどよめく。

ラストの敵を倒した時点での得点が高い！余りタイムが加算されていく104万、105万、106万・・

得点は1065500点　清水氏の得点にあと一歩及ばなかった。これが実力。たらればは、いらない。

自信がついたのか、清水氏に直接対決をしに北の埼玉へ向かった。

埼玉会場では勝ち目が薄いのはわかっていた。

会場のハドソンスティックは、ななめが動かないｸｿコントローラーなのだ

ただ、清水氏に会いに行きたかった←ほぼ言い訳ｗ

清水氏とは国技館で会っているので、いろんな話をした。覚えてないがｗ

北の清水、南の中島の公式戦初対決は、こうして静かに始まった。

北のリーダーは島田名人。ごっつい兄ちゃんだよｗ。何度か会っているんだけどねｗ

即効目をつけられましたよｗ。「中島は、このコントローラーを使え」とクギをさされたｗ

案の定、予選で即死でしたよｗ公式戦初対決は南の中島のぼろ負けで幕をおろしたｗ

しかしせっかく大阪からはるばるきて、いくら何でもこれで帰れないので、デモンストレーションを

島田名人に提案すると、「おっいいよ、おもしろいね」と返事が返ってきた。

もはやプライドの戦いだったｗ。優勝にならなくても最高をだす勢いだった。

自分のジョイスティックでプレイする。最初の機雷（ｷﾗ）を瞬殺した時点で会場がどよめく

「速すぎる！」そらそうだ。秒間25発だからな。ジョイスティックでのプレイに会場は圧巻されるも

一人戦略を練る人物がいた。そう清水氏だ。

（このデモンストレーションを見て彼は1080000点を出せるようになったらしい・ご馳走様といわれましたｗ）

そんな熱い視線を受けながらも、ラスボスを前に日本最高が出そうな勢い。

ただ最後だけ本当に最後だけ、太陽の逆光により画面がみえない。危うく死にかける。

得点はそんなミスがありながらも1065000点。どうやらなかじは1068000点は抜いちゃいけないらしい。

存在感だけ示して帰ったｗ結局この日は清水氏も振るわなかった。

最後のボスでは、やはり死んでる人が多かったｗ見えないんだって。

キャラバン最後の会場となる名古屋２連戦。なかじは1059000点と振るわないものの優勝し

キャラバン１０勝目を上げる。

最後の挑戦となる名古屋大会２日目。東京と同時に開催される。この大会が終わればその時点で

グランドチャンピオンが決まる。清水か。。中島か。。

北キャラバンでは清水氏が日本最高を上回るペースながら痛恨のミス！

グランドチャンプは南の結果待ちとなった。

一方南では予選をクリアしたなかじは決勝でペースが上がらず、一面をクリアした時点で

絶望的な数字となり「清水優勝おめでとう！」の声を上げる

考えてみれば失礼な話だｗ　まだ他のチャレンジャーがプレイしてるのにｗ。

他の人が抜くとは考えられなかったらしいｗm(｡･ε･｡)mｽｲﾏｿ-ﾝ

北にて高橋名人が発表する「グランドチャンピオンは・・・・・・清水くん！！」

TVでも放映されたが、本当に苦戦してやっと優勝を勝ち取ったぞっていう表情だった。

彼のコメント「今回はもう練習して練習して苦しい大会だった」

この言葉がなかじにとって最高の賛辞だった。

当初今年の目標は1回でも会場優勝を果たすことだったのに、途中から日本一を目指した。

キャラバン最多優勝数10回（現在も1位）キャラバン最高連勝数5回(現在も1位）南キャラバン優勝

日本2位　数字だけ見れば大健闘だけどやっぱり負けたのは悔しかったなぁ。

頑張れば手の届く点数だと思ったけど、そこは壁だったのだな。

今年の熱かった夏は大躍進、そして人生が変わった夏だった